川崎山王祭り


2002年8月1〜3日、川崎市のJR川崎駅周辺で毎年同じ日に行われる夏の例祭、山王祭が開催されました。ローカルなお祭りではあるものの、関東ではめずらしい宮座式(神奈川県選択無形民俗文化財)なのが特色です。

参拝者が訪れる夜の稲毛神社
日本武尊の父・景行天皇との縁を伝える歴史ある稲毛神社

川崎といえば工業都市というのが一般的なイメージ。そんなこともあって忘れがちなのは、かつて東海道五十三次の宿場町であったこと。多くの旅人や飛脚が行き交ったであろう旧街道筋は、都市化により往時の面影はもはや見る影も無く。この祭りは新陳代謝の激しい川崎にあって、昔を現代に伝える希有な行事です。誰もが生まれてせいぜい数十年の変遷しか実体験していないのに、それより遙か昔に編み出された祭りに郷愁を感じてしまうのは、私たちの DNA の何番目かの染色体に、先祖代々の感情がしっかり刷り込まれているためなのでしょう。


お祭り気分でそぞろ歩き


>> 稲毛神社境内の露店。こんな場に立つと子供のときと変わらずワクワクするのは、いつまでも少年の心を失わないオレ。と言うよりほかにありませぬ。
露店で賑わう境内



店先に人形が並ぶ
<< 伝統行事と現代風俗が違和感なく共存する祭りの面白さ。その中にはキティちゃんの姿も。無表情なのにカワイイと受け取られるのは、皆きっとアタマの中で微笑んだ口元を付け足しているのでしょう。でも実は口が 「へ」 の字なんですなんて言われたらキティちゃんコワイ。



>> 川崎市役所前にて。背後が神社。前方数百メール先が駅。日没後、駅近くの商店街から神社に向かって神輿(みこし)の行列が練り歩きます。今年は暑い日が続いて神輿を担ぐ人も大変そう。
祭りの飾り付けがされた大通り



ここで簡単に山王祭の概略を。1日は宵宮(=よいみや:前夜祭)。2日は町会連合渡御(=とぎょ:神輿が進むこと)でたくさんの町神輿が各町内を回ります。3日は本社渡御で孔雀神輿(男)/玉神輿(女) 以上2体の大神輿が日中町内を巡幸し、夜はこの祭り最大の見せ場となる駅前から稲毛神社までの宮入り。この男女2体の曰くありげな大御輿は、いかにも歴史を感じさせるもの。なおこのページで紹介しているシーンは全て3日夕方〜夜にかけてのもので、別年度に撮影したものが一部に含まれています。

クジャクが載った神輿を担ぐ何十人もの人たち
時間は午後7時ちょうど。駅前商店街でひと休みしていた神輿が神社に向け大通りへ。これは孔雀神輿(男)。まだ日中の暑さが残るなか、人いきれでものすごい熱気に包まれる夏の夜の瞬間。

男女2体の神輿には神の結婚、懐妊、御子神の誕生という物語が隠されているそうな。封建時代に生きた人々の神への畏敬を感じさせる祭りは、21世紀の今見ても魂を揺さぶるものがあり、そのとき現代人が昔の人と変わらぬ同じ何かを保ち続けていると感じるのです。


昔日へと導く提灯行列


20個ほどの提灯が夜空に揺れる
<< 神輿の前を先導する高張り提灯。ボワーッと灯る明かりをジーッと見ていると、自分まで昔の人になってゆく...



>> この天狗さまの足もとは、天狗の基本である(?)1本歯の高下駄。そのさまは竹馬に乗るがごとし。非常に歩きにくそうよのう。ありゃ、発言まで昔言葉に。
天狗のお面を被った人が通り過ぎる



丸い玉が屋根に載った神輿
<< これは玉神輿(女)。前述の孔雀神輿(男)とは屋根中央の飾りが異なります。玉には女性という意味もあるものの、身体的に男を思い浮かべると言ったりしたら、神様にバチがあたりそうでござるよ。



この2体の大御輿の担ぎ方は荒っぽく、上下左右に大きく揺らしながら進むので、二人の仲の行方を興味半分で身を乗り出し撮影していると、街路樹と担ぎ手の間に挟まれるという手痛い天罰を受けがちです(^^;

祭礼の列が大通りに出るところ


そして御神体は本殿へ


>> テントに反射する明かりも美しい夜の露店。蒸し暑い夜にはビールののぼりが目にしみる。今年は開催曜日が木/金/土。来年(2003年)は金/土/日と最高の巡り合わせで、天気さえ良ければ一段と盛り上がることでしょう。
露店を高いところから見下ろすとテントに反射した明かりがキレイ



鳥居をくぐる瞬間の神輿
<< 宮入りした大神輿は鳥居をくぐり、最後に御神体を正面奥の拝殿へ納めます。朝から町内を回った担ぎ手は誰もが汗で水をかぶったようにビショビショ。お疲れさまでした。



参考資料 ▼ 宮座式の解説 ▼ 稲毛神社(山王祭の詳細解説あり)


歩道橋に人が溢れる
神輿が直下を通る歩道橋上にて

ところで神社の直ぐ脇には歩道橋があり、神輿はこの下を通ることになります。そんなこともあって歩道橋には、上から観覧しようという人がたくさん。やがて神輿が直下を通過しようとしたときおまわりさんが現れ、

「神様が通る真上は道を開けてください」

法の番人である警察官がそう言うのだから間違いアリマセン。
また今年の夏も神様はこの世にやってきた。


− 川崎山王まつり おわり −





TOP
Prev French Cars Meeting in Motomachi


French Blue Meeting 2002 (1) Next