皆既月食



2000年7月16日夜から17日未明にかけて、20世紀最後にして今世紀最長の皆既月食がありました。季節は梅雨末期。もういいかい? ま〜だだよ(梅雨の声)。関東地方ではとっくの昔に梅雨が開けているような、しかし梅雨開け宣言が出されないヤキモキした状態のまま、当日夜を迎えたのでありました。


4時間のドラマに待った無し



この晩に観察した都内某公園は、住宅地に隣接しつつもうっそうとした森が広がり、周囲の明かりが少なく撮影には好適地。しかし月食直前の天を見上げれば、さっきまでは快晴だったのに、どうしたことか暗雲が次から次へと来襲。雲間から月がチラリと現れれば歓喜し、雲に隠れれば嘆き、また月が現れれば歓喜したりと、ただ見ているだけなのに全くもって忙しい。お月さま、そのチラリズムの使いようは何とも思わせぶりな...

雲の切れ間から月が一瞬見える
チラッ

しかし時間が経つにつれ雲が徐々に退散してゆき、皆既月食が始まるころには再び快晴に。はて?さっきの雲は空梅雨の最後の意地だったのかしらん。(関東では17日に梅雨明け宣言が出されました)


では月食の一部始終をとくとご覧あれ
皆既月食の軌跡とその間の画像


空には赤月が
<< 夜空に浮かぶオレンジ色の摩訶不思議な月。

皆既月食中は月が全く見えなくなる訳ではなく、地球の大気層を通過した赤い光によって、いつもとは違う色に照らし出されるという未だかつて見たことの無い光景。

“きたろう”というフレーズが浮かぶ月の姿
そして皆既月食が終わり、再び月明かりが戻り始めた頃のそのさまは、まるでゲゲゲの鬼太郎の目玉おやじ。あのカン高い声が月にまとわりついて困りマス。

今だから告白しますがこれと似たような経験が。しし座流星群のときのことです。星が流れるたびに岸田劉生・岸田劉生・岸田劉生とオツムが勝手に反復し、それと同時にあの麗子之像が目の前に現れ、流星のロマンチックな眺めを阻止するのでした。いやはや。





月隠れれば 大地から出るものあり



サテサテ、観察も終えたし帰ろうとしたそのとき。道路に何やら転がっているものが。

カブトムシが路上にひっくり返ってもごもごしている
へ? 何とカブトムシ! 道路の真ん中にひっくり返って、もがいているではありませんか。

このオスのみならずメスまでもが路上でひっくり返って、もがいており、どうやら近くの森に生息している様子。明かりを目指して飛んできたものの、勢いあまって街灯に衝突して路上に落ちちゃったみたい。拾い上げようとした途端ブイーンと重々しく飛びたち、またしてもゴテンと哀れ路上に着地失敗。昆虫界の王者も重い体ゆえ飛ぶのがヘタッピーという思いがけない弱点、不器用さをさらけ出したりしちゃって、アナタ。

しかしビックリしますなぁ、東京にカブトムシが生息していたなんて。身近なところにカブトムシがいたという事実に、月食がちっぽけな他人事のように思えてきましたよ。カブトムシには罪が無いけれど。




2匹とも近くの森に返すため拾い上げると、月明かりの下でトーキョーのカブトムシはワシャワシャと力強く。

天と地とで繰り広げられた夏の夜の出来事も、最後は手のひらの中に収まった。


− 皆既月食 おわり −





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