'95 Lutecia16V を見る (3)
| (1) 外装 | (2) 外装 | (3) 内装 | (4) 内装 | (5) エンジン |

ダッシュボード全景

シュペールサンクの面影を色濃く残したダッシュボード形状。しかしそれより飛躍的にクオリティアップ。かつてのフランス車特有のガタガタミシミシボディに今にも壊れそうなちゃっちい造りは、90年以降に新車デビューしたフランス車ではほぼ一掃され、一気に洗練された感があります。

それまでの経験から、フランス車とは何ともいえない楽しさとボロさがワンセット。と擦り込まれていたので、初めてこのクルマに乗ったときは、日本車のような真っ当さにカルチャーショックをうけました。R5 やプジョー205にうつつを抜かしているあいだにフランスでも確実に時間が流れ、ルーテシアという玉手箱を開けたら自分が老人になっていたことに初めて気づいたという、フランス車乗りの浦島太郎物語です。


ステアリング
ステアリング
3時と9時の手によく触れる部分のみ本革巻き。エアバッグ車は4本スポークのステアリングになります。よくよく見るとフェイズ1とセンターパッドが違っていたりします。


日本車に比べステアリングが重いと言われるルーテシア RT や RN よりさらに、というか段違いに重いステアリング。据え切りは男性なら片手で何とか回せるというレベルにあります。しかし凧揚している感触にも似た、ネットリかつツーンとチカラ強く反力が伝わってくる感触のステアリングフィールは、このクルマの魅力の一つ。

アシスト量を減らした見返りに豊富なステアリングインフォメーションを手中にする。大変と感じるか、面白いと感じるかはアナタ次第よ(ルーテシア談)。


ウィンカーレバー
ウィンカーレバー
ウィンカーレバー&ホーンボタン&ライト切り替えスイッチ兼用。取り付け軸方向にレバーを押せばホーンが鳴ります。これは旧来のフランス車を象徴するスタイルの一つといえましょう。


ウィンカーレバーにホーンボタンがついていると、ホーンを鳴らした時にウィンカーが点いてしまいがちなのはご愛嬌です。おまけに短く鳴らすには修行が必要です。道を譲ってもらい、プッとサンキューホーンをやるつもりが空打ちで挨拶無しグルマになったり、プーーッと鳴らし過ぎて意気がりグルマになったりと、対向車のドライバーに人格が誤解されがちです。音色自体は柔らか目で結構いいですが、だからといって調子に乗って鳴らし過ぎないように注意しましょう(経験者談)。怖い人がクルマから降りてきても知りませんよ(未経験)。


ワイパースイッチレバー
ワイパースイッチレバー
下にレバーを下げていくと、順に、間欠/通常/高速。手前に引くとフロントウォッシャーが作動。ダッシュボード側に1回押すとリアワイパーが間欠作動し、さらに奥に押すとリアウォッシャーが出ます。


計器盤
計器盤
向かって左から、スピードメーター(250km/hまで)/水温計/燃料計/回転計。中央上部の黒い四角の部分にイグニッションON〜エンジンが掛かっているときに、外気温度が表示されます。


燃料計は満タン後に 100km ぐらい走っても、一向に針が動かないかわりに、最後の 1/4 ぐらいから加速度的に減りが早くなり、トータルでつじつまを合わせるというラテンな働きをしてくれます。


真実を伝える水温計
ヨーロッパ車らしく渋滞時・定速走行時など、走行環境により水温計は大きく上下します。日本車の水温がいついかなるときも安定しているのは熱管理が完璧なため。ではなくドライバーに不安を与えないよう、わざと針の動きを鈍くして安定しているように見せかけているそうな。

その結果日本の過保護教育で学んだあとに、気回しなどしないヨーロッパ流のスパルタ教育(?)を受けると、水温が大きく上下するという日本車でもエンジン内部で起こっている事実に、これだからヨーロッパ車は信用できんとビビるハメに。


計器類
計器類
向かって左から、オイルレベルゲージ/油温計/油圧計です。

下に3つ並んでいる四角いボタンは、左からリアフォグライト/リアウィンドウデフロスター/ハザードスイッチ。


空調関係・時計・ステレオ
空調関係・時計・ステレオ
右端は時計、中央のダイヤル3つは空調コントローラー、左端の小さな丸いボタン(上)エアコンON/OFF、(下)内気/外気切替。フェイズ1のエアコンは内気循環のみなので、フェイズ2で快適性が大きく改善されています。


空調ダイヤルが3つ並ぶパネル下にはステレオ(パナソニック製)があり、ステレオを覆う盗難防止用のフタがついているあたりに、彼の地の事情がうかがえます。クルマから離れるときはフタをしてステレオの有無を不明確に。そして心理的に盗難しづらくするという意図ですね。

本国ではオプションでも設定なしの、無理矢理とりつけたエアコンは意外と効きます。外気温が35度近くても、スイスイ走っていて内気循環にしていれば、キンキンに冷えるとまではいかなくても、汗をかかなくなる程度にまで涼しくなります。渋滞にハマると途端に効きが弱くなるけど... でも 16V ではエアコンが効くという話はあまり聞きません。エアコンが効き過ぎると、このクルマどこか壊れているのかと心配になります。


ヨーロッパ車に標準装備 “気長に待つ”
フェイズ2・16V は現地工場で日本向けスペシャル仕様のエアコン装着のため、1日1台づつ生産。おかげで納期が長いこと長いこと。その結果輸入台数も限られ、イベントでもフェイズ2・16V をあまり見かけない理由となっています。

お客様は神様な日本は、客が企業に文句をつけるのはよくあること。一方ヨーロッパでは客と企業は対等な立場。無理を言って怒鳴られるのはお客のほう。そして何事もスローペースのヨーロッパのこと。メーカーさまのご都合に合わせて、納車までおとなしく半年間待つということを味わせていただいたことも、今ではヨーロッパ的生活を体験していたんだなあと考えられるほど、自分にとっては昔話となりました。


その他のダッシュボードパネル周辺
ダッシュボードパネル周辺
1.ダッシュボードパネル照度調整ダイヤル
2.フロントフォグライトスイッチ
3.光軸調整ダイヤル

フロントフォグライトスイッチの脇は、ちょっとした小物入れ。左のスリット状の所がスピーカー。光軸調整ダイヤルは人や荷物を満載した時に、ヘッドライトが上向きになるのを防ぐ為のものです。


グローブボックス
グローブボックス
フタの裏にはドリンクが置けるごく浅い窪みが1つあります。でもフタを開けて安定性の悪そうなここに置く人は、いるのでしょうか?とさりげなくツッコミを入れちゃいます。





TOP
Prev '95 Lutecia16V を見る (2) 外装


'95 Lutecia16V を見る (4) 内装 Next