RENAULT Super5 GTS (2)編



フランス車と日本車

サンクの乗り味が、日本車とは全く違うことが印象的でした。同じ乗り物でありながら、こうも違うものかと。クルマが人に対して与える感触が、柔らかく深くそして濃く、まるでクルマが生きているかのよう。そしてドライバーに音、振動、挙動を通して運転しているんだぞと、クルマが常に語りかけているかの如き。

安楽さを感じつつも、ただ単にイージードライブというのともちょっと違い、たとえて言うならば、クルマ側で基本的なところはシッカリ作ってあるから、あとは自分から積極的に運転に参加しなさいというメッセージをクルマから発信しているように感じます。またそうしないとクルマが上手く動いてくれないことでしょう。コミュニケーションを自分から進んでとろうとする者には門戸を開き、運転という行為を奥深く堪能させてくれます。←と乗ってて感じました。

この世代の日本車とフランス車って(コンパクトカー同士で)、運転感覚が日本語とフランス語ぐらいの違いがあります。単にハンドル位置が右か左かの違いだけではなくて。
日本車は技術的に進んでいたともとれるけど、フランス車はゆっくりと時を重ね、日本車が取りこぼしたり見失っていた何か大切なモノを拾い上げているかのよう。これこそ文化の違いなのかな。

松本〜よもぎこば林道〜ビーナスラインと辿って到着した美ヶ原高原美術館駐車場にて
90年秋 長野県・美ヶ原高原

脚まわりとシートの調和

このクルマで特筆すべきはやはり何と言ってもシート! タップリとしたサイズで抱きかかえられるかのような、疲れ知らずな素晴らしい掛け心地のシート。ふかふかというのとはちょっと違い柔らか過ぎず、さりとて硬さは微塵もないウレタンがみっちりと詰まったコシのある絶妙なタッチ。まる1日走り続けて、車外に降りた瞬間でも座っていた疲労感とは全く無縁の世界。そして外見から受けるイメージとは笑えるほど正反対な、剛性感の高い安定性抜群の足回り。

しかしあの頃は峠道だろうが、ダートだろうが、時には砂浜だろうが(さすがにこれは当然のことながらスタックしかけましたぞ)、どこまででも行くぞの精神で、1年で何万kmも狂ったようによく走りました。このようなことからもフランス車って意外と丈夫だなと心に刷り込まれ現在に至るわけであります。

志賀草津道路もこの頃はまだ有料道路でした
90年秋 志賀草津道路 長野/群馬県境
日本の国道最高地点 (2172m) の渋峠にてひと休みの図

走り出したら地の果てまでも

いざ自分で所有してみると、買う前の不安をよそにこれがノントラブル。排気温度警告灯が点きっぱなしになる。リアのショックからのオイル漏れ。というのは有りましたが。まあ、そういうのはカウントしないという事で...だめ? これなら大丈夫だろうと、それから 2万km程距離を重ねた翌年夏、北海道へグランドツーリングしてきました。

道内では道が空いているのをいいことに、国道は言うに及ばず道道・林道と巡り、走るも走ったりその距離およそ1万km。都市部以外だと、内地とは比較にならない速度で流れるヨーロッパ的な交通モードが、骨太でタフネスな走りをするこの車にピッタリと思いました。というよりも都会でチマチマ乗るよりも、有無を言わさぬほど長距離を走ったほうが、このクルマに潜在するポテンシャルの高さを認識できると言ったほうが適切かな。乗り馴染むうちに人とクルマがズルズルと一体化してとろけそうなフィーリング。

他では得難い乗り味、世界がそこにはありました。

ニセコをバックに
91年夏 北海道・ニセコをバックに

利尻富士をバックに
91年夏 北海道・利尻島にて
または 6000km以上走って、一度も洗車しないとどうなるかテストの図

北海道こぼれっぱなし話

汚さここに極まれり
旅の途中、余りの汚さに洗車しようかなとも思ったのですが、面白いことに、ここまで汚れると洗うのももったいない?気がしてきたので、結局そのまま乗り通しました。クルマの写真って実車よりも綺麗に写るものですが、それでもこのありさまなのでいかにクルマが汚かったことか。フロントは虫の死骸まみれ。側面は泥まみれです。富良野の駅前で当て逃げされて、クルマへの愛情が冷めたわけではないので悪しからず。

カーグラTV撮影ロケ現場異常接近
釧路〜根室間の太平洋に沿って延びる道道142号・某駐車場で、フィアット・クロマ、ウーノ(共にフェイズ2)が並んで駐車しているのを発見。こんなところでこんなクルマを見かけるとは奇遇なと思いつつも遠巻きに見て直ぐ出発。帰宅後しばらくしてから放映されたカーグラTVを見てビックリ。なんと北海道ロケでクロマ、ウーノが登場! 日本は狭いことを広い北海道を背景に実感。

1時間以上シフトチェンジが不要!?
日本最北の地、天塩(てしお)〜稚内間の日本海に沿って延びる道道909号(現 106号) オロロンライン を走った時のこと。その時は前日天塩町に宿泊し、早朝6時頃に稚内へ向けて出発。天塩の市街地を出たところで、前を走るダンプを1台追い越してからは後にも先にもクルマの影は見当たらず。左手に日本海、右手に湿原・原野・牧場が延々と続く中、稚内市内へ入るまで一般道なのに数十キロの道のりを1時間ひたすら5速へ入れっぱなしでアクセル一定!

しかし日本にいるとは思えないすごい経験をしました(地元では当たり前?)。北海道って首都圏と違って、クルマが本当にクルマらしく使えてちょっぴりうらやましい。
これだけシフトする機会が少ないなら、逆にAT車でもいいじゃないかと思ってしまいました。日本の道が全て北海道のようだったら、日本車(特に普通のセダン系)はもっと違った乗り味になっていたことでしょう。

オマケ ▼ R5 de 北海道

日本にもこんなところがあったのか...
道道909号 只今貸し切り中





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